四日市市民シンポジウム 私なりの報告(2024年7月21日)

 7月21日(日)、猛暑の四日市で、「戦争させない・憲法壊すな よっかいち市民ネット」主催のささやかなシンポジウム、<日常生活での憲法の空洞化を問う! 草の根の護憲運動にむけて>が開かれた。くりかえしFBで情宣してきたように、私たちが日常的に属している「界隈」、具体的には学校や家庭や職場やSNS交信におけるルールや慣習にみる憲法の無視や蹂躙をみつめ、その界隈での強力な同調圧力に従う生きざまを反省的にふりかえる――そんな趣旨の企画であった。

 名古屋や京都から駆けつけて下さった方々をふくめて参加者はほぼ30人。学校、家庭、SNS交信、職場と労働運動の状況について4人の無償のパネラー(全員が女性)が各15分、体験や現状を語り、その後、1時間ほど10人以上の方の発言で質疑・討論を繰り広げた。

 ここにアンケートの回答をピックアップしてみる――日常から問題を問う方法論はとても良いと思う/それぞれの場での人権問題について経験や意見が共有され交流できるこのような機会は貴重だ/すべてのパネラーの話からコミュニケーションの重要さと現実のなかでのその難しさがわかった/SNSについて若い世代の思いが聴けてよかった/参加者が自由に発言できるのがいい/思ったよりも楽しかった/自分にとっての自由やともすればネグレクトしがちな「自分の痛み」を考えるよすがにしたい・・・と、おおむね好評であった。けれども、時間がたりない/それぞれ重要な問題のつながりを示す発言はあっても、もっと掘り下げた議論がほしかった/会場の都合でマイクがなく聞き取りにくかった・・・という、いくらか批判的な指摘も複数あった。

 主として企画・準備・運営にあたった私としては、日常の界隈における同調圧力の深刻さ、SNSの光と陰などの問題は一定共有されたとはいえ、日常生活を支配している界隈のルールや慣習、それに対する世智にもとづく人びとの適応を凝視する議論の掘り下げは、やはり道半ばに終わったように思う。すぐれて主催者の責任であるが、企画の趣旨を浸透させるにはなお「力業の無理」があったというべきだろう。アンケートの末尾には、「意見交換と討論を中心にした」「同じようなテーマのシンポジウムをくりかえしてほしい」との励ましの声もあったけれど、四日市の市民団体がこのようなイヴェントを「くりかえす」ことは人的にも財政的にも、もうむつかしいだろう。