高市・トランプ会談に感じること――3月21日記、4月30日修正・加筆
予想はしていたが、高市早苗はよくもあれだけ暴君トランプに媚びへつらうことができるものだ。子どもたちをふくむ多くのイラン人と指導者が殺されるのも、イランの当然の報復としてホルムズ海峡が閉鎖され世界の石油価格が高騰するのも、国際法も議会手続きも無視したトランプの一方的な軍事侵略のゆえである。国際社会のまともな政治家たち、反戦を願う世界の人びと、いやアメリカ内部でも半数以上の人びとが、この理不尽な軍事侵略に反対し、求められる協力をしかるべく拒んでいる。強がりつつもトランプが実は孤独なのも自業自得なのだ。それなのにわが首相は、トランプの国際法違反を不問に付すばかりか、ドナルド、世界の平和と繁栄をもたらのはあなただけよと、アメリカの軍事行動に率先して指示を表明したのだ。よく言ってみじめ、悪くいって気持ち悪くむかつく。
11兆円もの対米投資、つまり経済援助というお土産は、ホルムズ海峡への自衛隊派遣がさしあたり要求されなかったことの代償であろう。政府・官僚の一部はこれをリアリズムに徹した外交上の成功と評価する。だが、アメリカはまだ自衛隊派遣への要求をまったく放棄しているわけではない。高市は「国際法違反のうえ交戦状態にあるところへは自衛隊は出せない」と明言していてはいない。推測の域を出ないが高市は、今は憲法九条があるから軍事協力はできないけれど、いずれ私は改憲するつもりよ、とひそかに囁いたのではないか。それに一応うなずいたトランプから、それでもあえて自衛隊派遣を求められることがあれば、それは日本の法律でも「できること」という理屈をなんとか捻出するかもしれない。
ともあれ日本政府は、トランプ・アメリカのイラン攻撃への支持の表明によって、お題目の「法と秩序」の理念を、国際社会の信頼を裏切り、この「平穏な日本」でもときに3万6千人にも及んだ抗議デモが行われるほどの世界の民衆の願いをふみにじった。こうした対米協調・対米従属は、しかし果たして、政治のリアリズムといえるだろうか?おそらくトランプは遅くとも11月には中間選挙に破れる。幾多の不法行為の重なりゆえに刑事上および民事上の訴追さえ受けるかもしれない。アメリカ人の多数はこの暴君にもううんざりしているのだ。アメリカ社会の深部になお潜む良識と知性がトランプをほどなく失脚させる。そのとき、高市・トランプ相思相愛の「バディ」のたどる運命はどうなるのか。高市早苗はハグの相手を失って立ちすくむ。
トランプNO!―― 4月7日記、4月30日修正・加筆
トランプは口汚い。演説やXでの空疎な発言をいちどでも聴いてみればよい。無定見で無責任。事実の検証なき独断。信じられないほどの自画自賛と承認要求。そしてなによりもイランという国が生き延びる権利とイランの人びといのちとくらしの完全な無視。これほど口汚いのも、そもそもトランプには、人間としての品性というものがないからだ。
世界の民衆がこの暴君にもう消えてほしいと切望している。アメリカ国内でも、一定数の政治家が、まともなシンクタンクが、彼の意を迎えるはずの司法界が、国際法の学界が、有力なマスメディアが、文化人・芸能人たちが公然と反トランプに転じている。800万人以上がこの「石器時代」の族長のような独裁に抗議するデモにくりかえし集う。
まるで軽視していたイランのしかるべき抵抗ゆえに、なお続くホルムズ海峡の閉鎖と石油価格の高騰にいらだって、トランプは、ひとたびは、イランを「石器時代に戻す」ような、すべての橋や発電所の攻撃とジェノサイドの実行をもって恫喝した。だが、イランの革命防衛隊を中心とした徹底抗戦の意思や、発電所を囲む女性や子どもをふくむ「人間の鎖」を、石器時代作戦の実行で粉砕する、それは政治的な死を意味することにトランプはようやく気づいたかにみえる。それはもうできない。トランプはいま小出しの譲歩をちらつかせながら、愚かに仕掛けた軍事攻撃の「成果」をアメリカ人に納得させるほどのイラン側の大きな譲歩をじりじりと待っている。だが、それもあまり期待できない。トランプが目論んだイランの反体制派も、「地獄」をもたらす米軍の軍事恫喝ゆえに、国民的な抵抗戦線に協同しているからである。総じて、明らかに戦況はアメリカに不利であり、問題解決の切り札はイラン側にある。トランプは困惑のきわみにあると思う。
くりかえし言えば、11月の中間選挙を待たずともトランプが失脚する可能性は十分にある。「張り子の虎」は実はトランプなのだ。世界平和と世界経済の苦境を打開するために、「平和主義」の日本が今こそトランプに完全撤兵を要求すべきことは自明であろう。