2024年 晩秋から初冬、京都への旅

 10月末、私たちはふたりとも発熱、診察を受けるとコロナに感染していた。自宅静養を余儀なくされる。微熱が続き、味覚と食欲がない。体がだるい。何を読んでも集中できず、秘蔵のDVDで大好きな映画をぼんやり観るばかりだった。しかし11月8日、食欲不振を訴えて漢方薬が変わった頃から、不思議にぐんぐん回復した。いつも平熱となり、食欲と味覚が戻った。早朝に30分から40分ほど散歩をするようになった。なにかしようとするする意欲が猛然と戻った。11月23日、はじめは欠席するつもりだった名古屋労働会館での<関生労組の弾圧を許さない東海の会>主催の、京都事件公判報告&パネルディスカッションにもパネラーのひとりとして参加した。もっとも準備不足と病み上がりで発言は持論に留まり精彩制裁を欠いたと思う。それでも、11月26日~27日には、ふたりして、長年の女友だちとともに紅葉を観る京都への旅を敢行した。
 26日は、旧友KやS・I(敬称略)と、勧修寺、醍醐寺、永観堂、真如堂の4古刹をめぐり、会食・歓談することができた。午後は雨だったが、すばらしく充実した観光ができ本当に幸せな1日だった。それというのも、敬愛する労働運動家T・Iが、細かいコースと食事処と時間の周到な計画にもとづいて、レンタカーでご案内をしてくださったからだ。みごとな道選びと時間設定だった。煩雑な会計事務その他もすべて旧友たちに任せた。よぼよぼの老親みたいな私たちを歓待してくださったみなさんに、どれほどお礼を言ってもつくせない。その夜はまたYさんのご紹介で古民家風「自主管理」の民宿に宿泊した。
 27日は、晴天に恵まれ、ふたりで夕方まで、休み休みしながら実にゆっくりと東山を散策した。京都市役所からバスで銀閣寺前⇒哲学の道⇒法然院⇒また哲学の道⇒永観堂(門前のみ)⇒「料庭」八千代での昼食⇒南禅寺という懐かしいコース。法然院のあたりから次第に紅葉が濃密になる。陽光に輝くその美しさに魅せられた。南禅寺では方丈を拝観し、紅葉が彩る庭園の続く長い回廊をめぐる。こんなことがまだできるのね!と妻がつぶやく。彼女は幸せと感じればそれでいい・・・。境内に出てまた夕陽に輝く紅葉を見納め、疲れた足を引きずって地下鉄蹴上を経て京都駅に至る。近鉄を乗り継いで帰宅したのは20時前だった。今日は16000歩ほども歩いている。
 11月27日の二人の散策をくわしく書いたのは、もうこんな機会は、私たちのつましい余生にはもうないかもしれないと感じたからだ。この間の紹介したいスナップは、23日のイヴェント、26日のみんなとの観光・会合などいくらもあるけれど、きりもなくここでは27日の京都の紅葉などに限りたい。

 写真の紅葉の背景は、順を追って、永観堂/哲学の道、川向こう/法然院の門/哲学の道、川向こう/永観堂/同上/同上/南禅寺下の料庭「八千代」で/南禅寺、正因庵白壁に被さる紅葉/南禅寺法堂前のふたり/南禅寺、方丈の庭/南禅寺境内ふたたび、法堂前/同上、背景は三門/蹴上への途上で