ごく最近、わずかに緩和されたように思われるが、この観測史上最高と言われるこの夏の酷暑には正直まいっている。午前6時台から40分ほど散歩するだけがやっとで、日中4000歩も歩けばなんとなく足取りは心許なく、基本的に外出はかなわない。けだるく食欲がいまひとつ。必要な四日市への病院通い、それと同時の買物、夕方1時間にかぎりの庭の草取り・枝払いのほかは、クーラーの部屋に閉じ込って、妻の25日の入院と27日のカテーテル手術(TAVI)を待つのみの日々である。萎縮している。憂鬱で、冴えない。
しかし、それだけにこの間、わりとよく本が読め、DVDですぐれた映画を再見することができた。いずれ内容紹介と「推す」理由を記したいと思う。しかし今はその気力も余裕もなく、ここでは厳選した作品のタイトルとランクだけをメモするに留める。書物では、いずれも内容が豊富かつクリアー、叙述スタンスにも共感でき、結局「おもしろい」名著または好著であり、映画では、いずれもサスペンスに冨み、リアルで切実な悲しみに満ち、最後にはかすかな光を感じて、あらためて感銘を禁じえなかった作品である。
<一般書>
①林博史『沖縄戦――なぜ20万人が犠牲になったのか』集英社
②鄭玹汀『木下尚江 その生涯と思想』平凡社
③ジョセフ・E・ステグリッツ<山田美明訳>『資本主義と自由』 東洋経済新報社
④今野晴樹『会社は社員を二度殺す――過労死問題の闇に迫る』(文春新書)
<小説>
①桐野夏生『グロテスク(上)(下)』文春文庫(2024年・原著03年)
②ケイト・クイン<加藤洋子訳>『 戦場のアリス』ハーパーBOOKS
③吉田修一『国宝(上)(下)』朝日文庫(初版2021年)
<日本映画>
①ヒミズ(フィルムパートナーズ・2011)園子温(+脚本)、主演:染谷将太、二階堂ふみ
②ひろしま(53.日教組プロ、1953)関川秀雄、脚本:八木保太郎、主演:岡田英次、山田五十鈴、加藤嘉、月丘夢路
③放浪記(宝塚・1962)成瀬巳喜男、原作:林芙美子、脚本:井手敏郎、田中澄江、主演:高峰秀子、室田明、加藤大介
<外国映画>
①善き人のためのソナタ(独・2006))フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク(+脚本)、主演:ウルリッヒ・ミューエ、マルティナ・ゲッデック
②ジョーカー(米.2019) トッド・フィリップス(+脚本)、主演:ホアキン・フェニックス
③ドキュメント・灰となっても(香港、英・2013年)アラン・ラウ(+撮影&編集) *この項唯一の劇場観賞
④日の名残り(英、US・1994) ジェームズ・アイヴォリー、原作:カズオ・イシグロ、主演:アンソニー・ホプキンズ、エマ・トンプソン
⑤バベットの晩餐会(87デンマーク・1987)ガブリエル・アクセル(+脚本)、原作:アイザック・ディネーセン、主演:ステファーヌ・オードラン、ビビ・アンデルセン
⑥別離(イラン、2011)アスガル・ファルハーディ(+脚本)、主演:ベイマン・モアディ、レイラ・ハタミ、シャファフ・ホセイン、サレー・バヤト