朝6時ごろ起床。雨戸を開ける。新聞を精読する。午前中は40分ほど近隣を二人で散歩し、読書したり(このところは『なぜ今、労働組合なのか』というなにかとものたりない新書とか胸を剔るようなハン・ガンの小説とか)、思いつくままにエッセイを書いたりする。昼食後のシェスタは欠かせない。それからは、日によって、ワンコーナーの断捨離、書類や食品の整理、再生ゴミづくり、簡単な庭作業、ときに好きな映画のDVD(最近では大戦中イタリアの村でのナチスの虐殺を背景にした秀作『やがて来たる者へ』)などで過ごす。そして夕食準備の手伝い。炒めたり揚げたり味付けしたり。野菜の処理は妻に頼むので、調理はまだ修行中である。洗いものでは主役だ。夜はTVでドキュメントや連ドラを2本ほどみて22時には床につく。2週間に3度ほどはふたりで外出するが、検診・診察のほかは、総じて義務のない映画観賞やカジュアル・グルメやウォーキングだ。しかし在宅日でも、日にひとつは「なにか」をしたい・・・。
妻の心房細動・心臓弁膜症、物価高騰によるまったくの年金生活のゆくえ、なによりも全般的な体力の衰え、そして「トランプが怖い」などいくつかの不安はある。とはいえ、今のところは総じて、心の高揚はともかくとすれば、まずは平穏な毎日である。旧東海道や野道を実にゆっくり歩いているこの80代半ばのふたりに幸あれ!